(社)日本自閉症協会佐賀県支部
高機能・アスペルガー症候群部会




「バンビの会」で育った子供たち

 バンビの会は高機能自閉症(アスペルガーを含む)の子供達と親の会です。
 始まりは、5年前。自閉症と診断されながら知的な遅れがない我が子にどう対応したらいいか悩んでいた親は、まわりの無理解と、どこの専門家に相談したらいいか解らない状況でした。
 知的な遅れがない分、自閉症の障害である奇妙な行動やこだわりが単なるわがままや、親の躾の問題であるかのように誤解され、我が子にどのように対応したらいいのか悩んでいました。
 そこで、日本自閉症協会佐賀県支部・相談員の服巻智子先生に定期的に相談にのって頂いたり、子供達が活動したりすることになりました。ただ、子供たちは告知をしていないのにどうしてこうして集まっているのか説明するために、この集まりに名前を付けようと言うことになり、その頃子供たちは幼稚園から小学校低学年の可愛い盛りで、軽やかに遊んでいる様から「バンビの会」と言う名称ができました。

 毎月みんなが集まれる日を決め、子供と親が顔を合わせて情報交換をしてきました。
どうしても普通学級や、特学で普通のお子さんと接する機会が多く、社会的な部分で障害を持つ『バンビの会』の子供たちは、ほんの些細なことでトラブルを起こしたりして、親の悩みは尽きることありませんでしたし、学校では他の保護者に相談もできず、親も辛い事が多いのですが、『バンビの会』に出かけてきて、同じ悩みを持つ親同士で話をしている内に、「一人じゃないんだ!」と励まされたりして、癒されたりしました。

 毎月の集まりの他にキャンプや、クリスマス会、そして4月の桜マラソンは、楽しみな行事です。特に桜マラソンは、とてもきつくて(もちろん親も)大変ですが、走った後の爽快感はなんとも言えません。自閉症の障害で苦手な刺激があっても、あの大人数の中で、どうしたら時間を過ごせるか、それぞれの子供たちは身につけていきます。今年で3回目でしたが「きつい!!」って言いながらも、毎年参加しています。

 服巻先生の留学や、それぞれの転勤・引っ越しがあって、現在は不定期に集まっています。服巻先生が不在の間も、それぞれ集まり、親同士の情報交換を続けました。現在はメンバーも増え親の相談会と、その間子供たちは公園などでボランティアの方と一緒に遊んだりして、他のお子さんと同じ場所でどのように係わって遊ぶかを学んだりしています。

その頃幼稚園だった子供たちも、小学校の高学年になり「バンビの会」が似合わない年頃になって『告知』の時期を迎えました。まだまだ、それぞれに問題はありますが、ここで又一つ成長してくれることと思います。

 これまで、幼児の頃から『バンビの会』に参加してきたメンバーと、小学校の高学年になって、不登校や問題行動から「アスペルガー症候群」と診断されて、入ってきたメンバーがいます。
 もちろん、幼児の頃に診断されていた子供の親もその頃充分に悩み苦しんで、立ち直って今日まできましたが、小学校の高学年になって昨日まで普通だと思っていたわが子が「障害児」であると診断された時の親御さんの苦悩は図り知れません。先ずは「自閉症」に関して知識がなかったり、不安だったりして
「どうやって子供に接していけば良いのか」
途方に暮れ、それでもどうにかしなければと、「バンビの会」にたどり着かれた方々です。
 もちろん、子供たちも毎回集まって顔を合わせますが、「バンビの会」は、先ずは親の精神的な部分のケアだとか、日常の問題点への助言を中心に、運営しています。
 子供ひとりひとりの障害の程度は違っても、抱えている問題は共通点があったり、将来同じ問題が起こったりということが充分に考えられるため、それぞれの事例を聞きながら我が子への理解を深めていきます。
 高機能部会として派手な活動はしていませんが、地道に子供の不安定な部分や、親の理解できていない部分をそれぞれ一つ一つ塗りつぶしていくような、ある意味でとても贅沢な部会であると思っています。
 今後子供たちは、告知を迎え、ソーシャルスキルを学び、親たちはソーシャルストーリーズを学んでいく予定です。